ヨシュア・キミッヒは、4度の世界制覇を誇るドイツ代表を体現する存在です。緻密に組み立てられた戦術、連動したプレッシング、そして両ボックスでの圧倒的な決定力——そのすべてが、規律あるフットボールの「教科書」のよう。対するエクアドル代表は、南米トップレベルの舞台で鍛えられた、より縦に速くアグレッシブで大胆なスタイルを持ち込みます。大陸の強豪との絶え間ない真っ向勝負を通じて磨かれた、激しいデュエルとフィジカルで勝負を仕掛けてきます。
このグループステージの一戦では、大舞台で結果を残してきたドイツの経験値としたたかさと、成熟期を迎えたアンデスの代表国が放つエネルギーと反骨心が真正面から衝突します。ミスの許されない状況で、トランジションの一つひとつ、肉体をぶつけ合うコンタクト、そしてすべてのセカンドボールが勝負の行方を左右することに。キックオフの笛からラストプレーの瞬間まで、限界ぎりぎりで争われるゲームになることは間違いありません。
直近の大会では、欧州の大国ドイツがカタールW杯のグループステージで姿を消すという、大きなショックを味わいました。それでも、キミッヒをはじめ、一本のスルーパスや鋭い持ち上がりで試合を動かせるタレントは健在。躍動感あふれるジャマル・ムシアラのようなアタッカーも揃っています。一方のエクアドル代表「ラ・トリ」は、その同じ大会で強烈な印象を残しました。堂々たる勝利と安定した内容で、エネル・バレンシアの決定力に加え、モイセス・カイセドやペルビス・エストピニャンの存在感を世界に知らしめたのです。
世界トップクラスの実績と、太平洋岸から届く尽きない野心がひとつのピッチで交差するこのカード。今のうちにチケットを押さえて、真逆のフットボール哲学を掲げる2つの代表が、ワールドカップでの生き残りを懸けてぶつかり合う瞬間を、スタジアムで体感しましょう。