カタールW杯 2022の予選から続く、強豪たるオランダサッカーと、タフな北欧代表の激突は、戦術的な駆け引きが満載です。「オランイェ」は現代サッカーを語るうえで欠かせない存在。自陣からのクリーンなビルドアップ、サイドバックの高い位置取り、そして「トータルフットボール」を受け継ぐアグレッシブなポゼッションで、これまでW杯決勝に3度進出し、2022年大会ではアルゼンチン相手にベスト8進出を果たしてきました。
一方のノルウェーは、まったく異なるスタイルで勝負。圧倒的なフィジカル、素早いトランジション、スケールとテクニックを兼ね備えた新世代が台頭しています。あの予選でも示されたように、拮抗したグループでは最後の一秒まで、すべての勝ち点が激しく争われるのです。
グループステージでは、ほんのわずかな守備の乱れや一本のセットプレーが、突破レースを一気に有利に進めるか、あるいは次節以降で時間との戦いを強いられるかを分けてしまいます。
オランダ代表を支えるのは、世界トップクラスの強固な spine(背骨)。最終ラインではフィルジル・ファン・ダイクが絶対的リーダーとして君臨し、中盤ではフレンキー・デ・ヨングが攻撃のリズムをコントロール。さらにコーディ・ガクポやメンフィス・デパイの決定力が、常に相手ゴールを脅かします。
一方のスカンジナビア勢は、いよいよ大舞台で存在感を示すべく、ストライカーアーリング・ハーランドの決定力と、チームの頭脳であるマルティン・ウーデゴールのゲームメイクに期待を懸けています。
テレビの前で終わらせないでください。チケットを押さえて、オランダとノルウェーの一戦をスタジアムで体感しましょう。この90分が、グループの行方を一変させるかもしれません。